みはてぬ夢のさめがたく新資料でたどる石上露子
- 著者
- 奥村和子/楫野政子
- サイズ
- 四六判
- 頁
- 344ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-362-3 C0095
- 発行日
- 2017/06/11
- 本体価格
- 2,300円
石上露子(いそのかみ つゆこ)―――
明星などで活躍しながら悲恋の絶唱「小板橋」を残し、二六歳で文壇から消えた。
白菊のごとき深窓の麗人伝説を生む。
没後六〇年近い今、多くの書簡・小説・評論が見つかった。
流麗な筆跡、澄んだ繊細な感性、和田英作の「こだま」に震える素顔は、
息づく皮膚感覚で読む者に迫る。
――河内の旧家の跡取り娘、大地主として激動に遭遇。
驕奢、苦悩……湧き出す詩的叫び。
奇跡のような女性像が、縁の地の女性の作業によって鮮烈に蘇った!
〈木村 勲(元朝日新聞学芸部記者・元神戸松蔭女子学院大学教授)〉
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南河内に隣接する堺の商家出身の与謝野晶子は、奔放に恋を貫きました。
わが郷土の歌人、石上露子は激しい気性を秘めつつ、恋と文学という夢を抑え、地主の妻として生きました。
今ここに見る新資料は、自由への魂の叫びです。
今を生きる私たちへの露子の伝言を、受けとめたいと思うのです。
(まえがき「新しい石上露子との出会い」より) 奥村和子
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● 著者について ●
奥村和子 (おくむら・かずこ)
1943年大阪府富田林市生まれ
大阪女子大学国文科卒
「日本現代詩人会」会員・「石上露子を語る集い」会員
「大阪産経学園」「文芸すいた」講師
詩集『渡来人の里』(1984年 ポエトリーセンター)
詩集『食卓の風景』(1996年 竹林館)
詩集『めぐりあひてみし 源氏物語の女たち』(2007年 竹林館)ほか
評伝『中谷善次 ある明星派歌人の歌と生涯』(2012年 竹林館)
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楫野政子 (かじの・まさこ)
1948年神戸市生まれ
神戸大学国文科卒
「石上露子を語る集い」会員・「女性史総合研究会」会員
評論『石上露子と「婦人世界」』(2015年)
論文「高等女学校国語教科書古典教材にみる近代」
(『日本文学』日本文学協会編・刊行 2004年12月)
論文「明治期地方婦人会機関誌にみる社会活動」
(『日本学報』大阪大学大学院文学研究科日本学研究室 2016年)