幻の大殿堂と男の田原坂
- 著者
- 炎筆仁
- サイズ
- 四六版
- 頁
- 156ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-272-5 C0093
- 発行日
- 2014/01/26
- 本体価格
- 1,500円
男の命のドラマ
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其処に何かが在るから何かが生まれる
人は何のために生きるのか――
昭和の初期から平成を一直線に生き抜いた、
一人の九州男児を追った人生ドラマ。
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冬休み、学校を捨てて家に帰ると神棚にあった紙幣五枚を握りしめ、後先も考えずそのまま家を飛び出した。
ジョージまさに一七歳、古くは元服の年代だが、心の中は天涯孤独の青春真只中、積もり積もった養父への反感と古いしがらみを捨て、ただ自身と未来を信じ一直線に着の身着のまま、育ての親の頑固さを映し挑戦するかのように家を飛び出した。
しかしこれが、厳愛で我が子以上に育ててくれた養父との最後の別れになるとは、ジョージは想像だにしなかった。