抱きしめたいのは清﨑進一詩集
- 著者
- 清﨑進一
- サイズ
- 130ミリ×148ミリ
- 頁
- 88ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-540-5 C0092
- 発行日
- 2025/05/20
- 本体価格
- 1,000円
降り止まない この雨に 打たれながら
木は 木であることに 耐えている
野良犬は 野良犬であることに 耐えている
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「抱きしめたいのは」とは詩人が後世に残した魂のことばである。
残されたわたしたちは詩人清崎進一の魂を抱きしめたくなるだろう。
詩人とは、純粋な優しさであり、そのために世間から受難を被ることがある。
一つの受難に一つの救いを遺書のようにしたためる彼の姿が目に浮かぶようだ。
彼はわたしたちのために「あれはね 人の命を/助けてくれる車だよ」(「すーちゃんのサイレン」より)と言っている。
― 帯文より ―
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好き
書いて
たった二文字の
口にして
一秒にも満たない
その言葉で
人生は変えられる
「好き」
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「あとがき」
主人清﨑進一は二十歳の時、やなせたかしさん編集の「詩とメルヘン」という月刊誌に出会い、詩を書き始めました。三十八歳の時、産経新聞の「朝の詩(うた)」の選者をされていた新川和江さんに出会いました。
多くの詩を産経新聞に投稿し、一面の「朝の詩」に載せていただきました。新川和江さんに詩人として育てていただきました。
大好きなフィギュアに囲まれて、音楽を聴きながら映画を観ながら、光る言葉を拾い集めました。
命のはかなさ、切なさ、悲しさ、生きる苦しみ、喜び、さまざまな想いを、普通のやさしい言葉で紡いでいきました。その根底に、命に対する温かさが流れていました。
六十三歳になったばかりの十二月の暮れに重い病気になり、命と向き合うことになりました。
第一詩集『新選組になればよかった』の中の「命のかたち」の詩の
命のかたちが何度変わっても
どうか ぼくはぼくでありつづけますように
という思いを抱いて旅立ったのだと思います。
ずっと主人の心の支えになってくださった柳瀬和美さん、福本畷夫さん、尾引光子さんをはじめ多くの詩の仲間の皆さま、そして応援してくださったすべての皆さまに、この詩集をお届けできますことを、主人が一番喜んでくれていると思います。
最後にこのような素敵な詩集を出版していただきました竹林館の左子真由美さんに心よりお礼を申しあげます。
二〇二五年四月吉日 清﨑 昭美