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ふたつの時間半田信和詩集

著者
半田信和
サイズ
四六判
112ページ
製本
ハードカバー
ISBN
978-4-86000-518-4 C0092
発行日
2024/07/01
本体価格
1,800円

個数  

 

 

 

 

大きな文字で


短くて


ほっとするもの


病室で読みたい本の


きみのリクエストだった


この条件に合う本を


あちこちさがしたが


なかなか見つからない


ならば


僕が書くしかない


ありったけの愛をこめて


 

 

― 序 詩 ―

 

 

 

 

 

ありがとう 僕と出会ってくれて

ありがとう きみがきみでいてくれて

 

 このことばを妻 由美に伝えるために、僕は本書を編んだ。

 重い病と闘う妻のこころを少しでも温めようと紡いだ詩。

 抗癌剤治療の合間に、ふたりで歩いたときに見つけた詩。

 最後の入院となった緩和ケア病棟で、ふたつの時間を見つめた詩。

 そして、もうあの明るい声を聞くことはできないのだという事実を、

静かに受けとめるための詩。

 同じ空の下で同じ花を見ても、妻には妻の、僕には僕の感じ方があった。

その違いの中に詩の種はあったのだと、いま改めて思う。

 

                  (「あとがき」より)   

 
 
 
 
著者について
 
半田 信和(はんだ しんかず)
 
1958年 福井県生まれ
2014年 詩集『ひかりのうつわ』(土曜美術社出版販売)
        第18回日本自費出版文化賞特別賞
2018年 詩集『たとえば一人のランナーが』(竹林館)
        第23回三越左千夫少年詩賞
2021年 詩集『ギンモクセイの枝先に』(銀の鈴社)
        全国学校図書館協議会選定・日本子どもの本研究会選定
2023年 第11回小松ビジュアル俳句コンテスト「三度目の夏をぐいぐい登りゆく」で森村誠一記念賞(芭蕉賞)