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アンドレ・ジイド『背徳者』の道をたどる

著者
伊原正躬
サイズ
四六版
272ページ
製本
ハードカバー
ISBN
978-4-86000-226-8 C0095
発行日
2012/03/15
本体価格
1,600円

個数  

―100年後のフランス・イタリア・アルジェリア紀行―

かつてこんな危険な小説があった
――――――――――

本書にはジイドの「X
(エクス)」を巡る3つのがある。

考古学者ミシェルと妻マルスリーヌの
波瀾に満ちたミステリアスな
100年後、彼らを追跡する日本人夫婦の
そして、ジイドの心を探るあなたの


 今から100年ほど前、フランスの文学者アンドレ・ジイドの作品に『背徳者』という小説がある。主人公ミシェルは、19世紀末パリに住んだ若い考古学者で、父は大学教授、母は資産家の娘という金持ちの知識人として描かれている。彼は父が決めた女性・マルスリーヌと愛情のないまま結婚し、新婚の旅に出るが、北アフリカで肺結核に倒れる。一度は死に瀕したが、妻の献身的看護により快復した彼は、フランスに戻り、しばらくの間、田園で平穏な暮らしを送る。やがて妻も同じ結核に感染したため、2人はスイスに療養の旅に出る。スイスで一旦は快方に向かった妻を、彼は自分の欲望と思い込みからイタリアに連れ出す。彼は各地を転々としたあげく、最後、衰弱した妻を炎熱のサハラ砂漠に連れて行ったため、彼女は悲惨な死を遂げる。この小説は主人公が身勝手な旅を続け、その結果妻を殺してしまう背徳の懺悔録である。
 私は、学生の頃に読んだこの物語を思い出し、その中で主人公のミシェルとマルスリーヌの悲劇的な旅の軌跡を100年後の今日たどってみようと思い立った。