さようなら 帰らぬ日々よ 稲垣和秋詩集
- 著者
- 稲垣和秋
- サイズ
- A5判
- 頁
- 102ページ
- 製本
- ハードカバー
- ISBN
- 978-4-86000-314-2 C0092
- 発行日
- 2015/07/10
- 本体価格
- 2,000円
詩の前衛を求めるよりも
詩の原点を求めて――
もう一度逢いたい人の面影を追って、
10年ぶりに訪れた場所には・・・
「さようなら 帰らぬ日々よ」、
出兵する前日の父との記憶「麦わら帽子」、
飢えた子らが夜空を見上げる姿を描く「星屑」
など29編。
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人類が誕生したときから喜怒哀楽の感情は存在していました。
喜怒哀楽も文字として残さないかぎり
うたかたのように消えてしまいます。
虚空に言葉をはくようなものだけれども、
虚空に届けたいと思います。
(「あとがき」より)++++++++++++++++++++
命の水を抱き
静かに息をする
空にみちひろがり
木かげでさえずる
たまふりを
木かげで眠らせる
生きるものすべてを
おまえはしっかり抱きかかえ
永遠の命をよみがえらせ
この世で恐るべきもの
この世の争いを鎮魂し
心の疲れを癒しささえ続ける
縄文杉よ(「縄文杉」より)