
山の辺の西田 純詩集
- 著者
- 西田 純
- サイズ
- A5判
- 頁
- 136ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-523-8 C0092
- 発行日
- 2024/09/20
- 本体価格
- 1,700円
森を歩きたい。なだらかな森の中も、山道を登っていくのも降りるのも。
自分が自然の中に入っていくのは、心が軽く、わくわくする。
 と言っても、人から遠く離れた自然ではない。ずっと昔から、いつもど
こかで人とかかわりあって生きてきた自然がいい。山と言っても、高くそ
びえたっている、威厳に満ちた山ではなくて、人が自然とともに生きてき
た、山の辺や里山を歩きたい。
 自分も、以前からここにいたのだろうか。
                             (「あとがき」より)
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冬
冷たくなった風を
頬で切って 走る
池に映る森も 揺れている
坂道をのぼりつめたところで
柿の木の
あかい実の群れに むかえられ
ぼくのからだも あかく
熱を発し
額からも あつい息でいっぱいだ
こおりつく まっ青な空を
溶かしてやろう
              ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 
● 著者について ●
西田  純(にしだ  じゅん)
1956年 京都市中京区に生まれる。
詩集『空にむかって』(1992年 椋の木社)
  『石笛』(1992年 土曜美術社出版販売)*
  『鏡の底へ』(1995年 土曜美術社出版販売)
  『楽器のように』(1999年 土曜美術社出版販売) *
  『木の声 水の声』(2002年 銀の鈴社) **
  『森は 生まれ』(2010年 てらいんく) *
  『風の森』(2017年 竹林館) *
    電子書籍 *  ディスカヴァー・トゥエンティワン
         ** 銀の鈴社
詩誌「朱雀」「PO」「みみずく」、まほろば(21世紀創作歌曲の会)に所属。


















