瓦松庵別稿
- 著者
- 中野武志
- サイズ
- 四六判
- 頁
- 392ページ
- 製本
- ハードカバー
- ISBN
- 978-4-86000-466-8 C0095
- 発行日
- 2022/02/10
- 本体価格
- 2,300円
確かさを求めて――
読むこと書くことの新しい復権
2010年刊『瓦松庵残稿』、2015年刊『瓦松庵余稿』に続く待望の書。
中野武志の強靭な思考と感性、その応答する軌跡は、
読者に新しい時代への倫理と論理への展望を開くだろう。
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本書に述べていることはすべて、そこにある、存在するものはなぜあるのか、という理由と意味を問い尋ねた結果である。これらの作業をしながら私はこれを「知的道具箱」と呼んできた。机に向かって箱を開け、私の疑問をあれこれと調べる。箱の中には作業のための諸道具が入っている。ペンチ、金槌、釘、鋸、ハンマー、紐、絵の具、筆、鉋…。ほかにこの道具箱には素材もはいっている。土、各種金属、紙片、木材、大理石、その他のはずだが、素材といっても考えるのだから知的素材、考えるための諸素材である。ことばや問い、ヒント。組み立て中のものもある。完成品もある。これらがみんな一緒に入っている特殊な箱。だから「知的道具箱」である。もっともこの箱、道行く人のためにある。誰か来て拾い上げ、作業を続行しようという気にならないとも限るまい。そのために十分な道具と素材は詰め込んである。力のある人に出会えば、ここからいっぱい創見に満ちた斬新な知の世界が開けよう。それだけのものが詰め込んであると信じている。
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● 著者について ●
中野 武志(なかの たけし)
昭和14(1939)年、京都府綾部市生まれ。
京都大学文学部仏文科卒。
京都新聞社に入社、平成11年退職。
自称書斎「瓦松庵」の庵主。
詩 集『悲哀の仕事』(中野棗・名義。行路社)
小 説『季節よ城よ』(行路社)
『さて、月の澄みて候』(行路社)
『アイルランドの梟』(竹林館)
文庫本『さて、月の澄みて候』(竹林館)
エッセイ『瓦松庵残稿』(竹林館)
『瓦松庵余稿』(竹林館)