リュックの中身三浦千賀子詩集
- 著者
- 三浦千賀子
- サイズ
- 四六判
- 頁
- 120ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-465-1 C0092
- 発行日
- 2022/01/10
- 本体価格
- 1,000円
読む者の心の背筋が伸びてまっすぐにさせ、心地よくなる詩集である。
彼女の詩の一行一行がまっすぐで一生懸命であるからだ。
詩のリズムは彼女の生きてきた人生のこころそのものであろうか。
マスクに覆われた日常と仮想現実に飽いた私たちを、
詩のリズムが励ましてくれるだろう。
(尾崎まこと)
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巡礼者
角材のような長い棒を
杖代わりに歩いている
大きな男性(ひと)がいる
駅前通りで何度か出会った
その度に思うのだ
ひたすらに
ひたすらに
祈るように
今日を歩いている
まるで巡礼者のように
自分が歩行困難になって
さまざまな歩行器を使って歩いている
同胞に出逢うようになった
わたしも一人の巡礼者である
どこに行くのもただひたすらに
今日一日の仕事の成就を
祈りつつ
● 著者について ●
三浦千賀子(みうら・ちかこ)
1945年生まれ
中学校で31年間教員生活
現在 NPO法人 おおさか教育相談研究所の相談員
詩集 『憧憬 わたしの子どもたちへ』(アットワークス)
『自分のことばで』(清風堂書店)
『一つの始まり』(竹林館)
『今日の奇跡』(竹林館)
『友よ、明日のために』(竹林館)他
教育エッセイ 『自閉症の中学生とともに』(未来社)
関西詩人協会会員
大阪詩人会議「軸」会員
詩を朗読する詩人の会「風」に参加