人と地球をたずねて深尾幸市評論・エッセイ集
- 著者
- 深尾幸市
- サイズ
- 四六判
- 頁
- 288ページ
- 製本
- ハードカバー
- ISBN
- 978-4-86000-445-3 C0095
- 発行日
- 2021/04/20
- 本体価格
- 1,700円
The Never-Ending Search for Human Relations and Global World
― Critic and Essay Collections of Koichi Fukao ―
テレビや新聞やスマホだけがメディアではない。
これは、自分自身が地球と人々と分かちがたく結ばれた
メディアであることに気がついたひとりの男の半生である。
この本が単なる情報に還元できないことは、
古くて真っさらな「一期一会の喜び」に貫かれているからだろう。
未知の人々や土地との応答と交通は、新しい時代への提言として、
この本が提示している基調である。
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明治時代の詩人・随筆家大町桂月の長男文衛(学者)が『蟲・人・自然』と題する科学的随想・紀行文を出版した。その中に「余は一般の読者のために書いたつもりである。然し、自分をよくしつてゐて呉れる人が読んで呉れたら、その意の足らぬ處もさとつてくれようし、文章の拙い處も赦してくれようと思つている。それと同時に又此等の文章によつて一人でも余を知る人の多くならんことを願つてゐる。この書が全ての読者への廻覧の手紙とならんことを祈つている。余はまた漱石の言葉、自分の書いたものは私生児のやぅなものだといふ言葉も思い出す。可愛いいには可愛いいが、世間に出すには恥ずかしい気がするといふ。これは誰しもの心であらう。ただ余はこの一書が父の気に入るか入らぬか、叱られはしまいかと心配してゐる」とある。
本著に付けられた題名『人と地球をたずねて』は、私も文衛の心境と漱石の言葉に相通じるものがあり、若干恥ずかしいとの思いもあるが、八十路の身、もう許されるかと開き直っている処でもある。
一方、自分の書いたエッセイ・評論・書評がきっかけで誰かが人生において大切な何かを発見するとすれば、こんな幸せなことはない。と、大それた空想をしながら執筆する喜びは何物にも代えがたい。
(「あとがき」より)
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● 著者について ●
深尾 幸市(ふかお こういち)
1939(昭和14)年9月4日、岐阜県に生まれる。
1958(昭和33)年、大阪府立市岡高等学校卒業。
1963(昭和38)年、関西学院大学経済学部卒業、同年、大日本紡績株式会社(現ユニチカ)入社。
国内勤務(経理部、原綿課、秘書室、国際本部)を経てナイジェリア、ドイツに駐在。
その後、大阪城南女子短期大学事務局長、森ノ宮医療大学顧問。
2014(平成26)年、大阪大学大学院人間科学研究科国際協力学博士後期課程単位取得退学。
大阪青山大学客員教授・大手前大学客員教授。
現在、桃山学院教育大学客員教授、Rogationist College および Philippine Missionary Institute 交換客員教授、
NPO法人ERP教育研究所顧問、NPC大学問題研究所客員研究員、アフリカ日本協議会理事、
NGO SESCO副理事長、国際ボランティア学会・日本アフリカ学会・アフリカ教育研究学会・
アフリカ協会・民間外交推進協会、各会員。
著書『ボランティア その理論と実践』(編著 久美株式会社 2004年)
『知の散歩道』(私家版 2014年)
『私のアフリカ、私の旅』(竹林館 2018年)