命の火 ―詩ロマン―笠原仙一詩集
- 著者
- 笠原仙一
- サイズ
- A5判
- 頁
- 160ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-425-5 C0092
- 発行日
- 2019/12/28
- 本体価格
- 2,000円
宙(そら)へ
万象へ
沁みとおれ
言い過ぎることもない
言い足りぬこともない
真と善と美の
絶妙のバランス
詩人・笠原仙一の命が描く
やさしい心模様は
此の世をこえてゆく
(尾崎まこと)
ひとの心のふるさとは
母の涙
思い出すのは
母の優しさ
無限の信頼
でももう
ふるさとの家に帰っても母はいない
裏の畑には
だあれもいない
ただ空間だけが静かに広がっている
おーい誰かいるんかと呼んでもだあれもいない
あぁ 心のふるさとはもうない
草ぼうぼうの一面の日本の野原だけが
秋の夕陽に広がっている
でも
この草ぼうぼうの野原は
秋の虫や動物たちの楽園だ
夕陽を浴びてぽつんと立つあの柿の木も
誰も知らないが 実はおいしい甘柿だ
母と取ったように 孫と取りに行くのが
ひそかな楽しみだ
(「柿の木」より)
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● 著者について ●
笠原 仙一(かさはら せんいち)
1954年、福井県に生まれる。現在、高校教師を停年退職し、
笠原善光堂の社長をしながら漆芸と詩の道に従事。
1994年 第1詩集『われら憤怒の地にありて』(私家版)
2001年 『定本 我ら憤怒の地にありて』(私家版)
2003年 「水脈」合同詩集『風と岩と』(福井詩人会議)
第2詩集『月の夜の詩』(Z-MIRAI企画)
2005年 第3詩集『天涯の郷』(詩画工房)
2010年 第4詩集『ひとと宙』(土曜美術社出版販売)
2013年 第5詩集『明日のまほろば ~越前武生からの祈り~』
(コールサック社)
2019年 第6詩集『命の火 ―詩ロマン―』(竹林館)
所 属 日本詩人クラブ 詩人会議 関西詩人協会 水脈の会
福井県詩人懇話会