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無刻塔門田照子方言詩集

著者
門田照子
サイズ
A5判
96ページ
製本
ソフトカバー
ISBN
978-4-86000-391-3 C0092
発行日
2018/11/09
本体価格
1,500円

個数  

 

 

読み続けると心に「無刻」の「塔」が立ち上がってくる。 

 

 

方言と形容されているが、これらの言葉はたんなる地方語を超え、

標準語を超え、「詩語」として召喚されたものである。 

つまり、「記録」の言葉ではなく「記憶」の言葉である。 

人間と人間の間にあってただ消費され、消滅する言葉ではなく、 

彼岸と此岸を永遠に結ばんとする詩人・門田照子の言葉である。 

                 (尾崎まこと)

  

 

 

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おかぁ(姑)さまが あっちどりさい(あちら側へ)行かれち 

うち(私)は せいせい胸の透くはずじゃった 

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

 

せちい(辛い)ことも ずつねい(情けない)ことも 

おなごの業さっぱり(すべて)脱ぎ捨てち死んで行かれち 

うちはとっと(まるで)引き継がされちしもうた(仕舞った)んじゃ 

やっぱ うちも 

置いて行かな出けんのじゃろうか(逝かなければならないのだろうか) 

おなごん肚ん中さい棲んじょる根性腐れの(意地の悪い)鬼一匹 

大けな しゃびしい(淋しい)この荷物

 

                       (「おきみやげ」より)

 

 

 

  

著者について

 

 門田 照子(かどた てるこ)

 

 1935年 福岡市に生まれる
 1979年 方言詩集『巡礼』(梓書院)第十回福岡市文学賞奨励賞
 1989年 詩集『アレルギー前線』(花神社)
 1992年 方言詩集『満酌』(本多企画)
 1995年 詩集『過去からの返信』(本多企画)
 1996年 詩集『抱擁』(書肆青樹社)第三十三回福岡県詩人賞
 2001年 自作詩朗読・方言詩集『巡礼』CD化
 2004年 詩集『桜桃と夕日』(書肆青樹社)第五回現代詩・平和賞
 2007年 詩集『終わりのない夏』(土曜美術社出版販売)
 2009年 『門田照子詩集』〈新・日本現代詩文庫 58〉(土曜美術社出版販売)
 2012年 エッセイ集『ローランサンの橋』(コールサック社)
 2014年 詩集『ロスタイム』(土曜美術社出版販売)第四十五回福岡市文学賞
 2018年 福岡県詩人会第三十三回先達詩人顕彰を受ける

 詩誌「東京四季」「花筏」同人
 福岡県詩人会・日本詩人クラブ・日本現代詩人会・日本文藝家協会・
 福岡県文化連盟各会員・日本現代詩歌文学館評議員