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具象から抽象へ、さらに表徴へ、

そして亜存在へ。

存在／現象の光と闇のあわいを縫うように、

詩人の声と像は三千世界の過去・現在・未来を

自在に浮遊し遊泳し遊離していく。

「仏教の宣伝」とは大真面目かつ大巫山戯な

哲学的叙情詩に相応しい題である。

菩薩の笑みと修羅の怒りを行間に併せ持つ詩人の誕生だ。

詩人・フランス文学者

大阪芸術大学教授　山田兼士

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楽器を鳴らして行進する

ニューオーリンズのジャズメンも

楽器を鳴らして雲中にある

供養菩薩たちも

名号をとなえる人々も

お題目をとなえる人々も

呪文をつぶやく人々も

ひたすら坐る人々も

地中の古代インドも

砂漠に埋もれた

サンスクリット語もパーリ語も

過激派もノンポリも

俺の今生も前世も来世も

みんなみんな集まってきた

ナンデモアリナンデモアリ

    　　　　       （「ナンデモアリ」より）

  　　　　 　　　　　　　　　　　● 著者について ●　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　1953年大阪府生まれ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　関西詩人協会会員・総合詩誌「PO」会員
　　　　　　　　　　　　　　　　　　著書　詩画集『small axe』1985年（ギャラリー・ホワイトアート）