【絶版】丈高い赤いカンナの花よ佐古祐二詩集
- 著者
- 佐古祐二
- サイズ
- A5判
- 頁
- 96ページ
- 製本
- ハードカバー
- ISBN
- 978-4-86000-337-1 C0092
- 発行日
- 2016/09/01
- 本体価格
- 2,300円
【 完売しました 】
「美しく輝くもみじ葉」を一瞬目にして、老いてなお若かりし頃のような激しい生―いのちの蘇りをみせる。辛さも悲しみも複雑な一切の感情の何もかもを飲み込んだように「ボレロの旋律」にわが身を焦がす。生の歓喜に立ち還らせるような清涼な佇まいがここにある。
(吉田定一「解説」より)
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希望
椿の花が
真っ赤にこぼれた
黒い地面を
青く光る蜥蜴がよぎっていく
長い尾を
ひきずりながら
それは
病苦の湖底に沈められた
あの日の
わが身に残された
隠微な希望にほかならない
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佐古祐二(さこ・ゆうじ)
1953年和歌山市生まれ。
京都大学法学部卒、弁護士。
日本現代詩人会会員、関西詩人協会運営委員。
総合詩誌「PO」編集長。詩を朗読する詩人の会「風」世話人。
詩誌「詩人会議」「イリヤ」「軸」に所属。
既刊詩集 『いのちの万華鏡』(1995年 竹林館)
『世界を風がふかなければ』(1997年 竹林館)
『vieの焔』(2001年 竹林館)
『ラス・パルマス』(2007年 竹林館)
評論 『詩人 杉山平一論 星と映画と人間愛と』(2002年 竹林館)
評論集 『抒情の岸辺―詩を愛する人たちへ』(2012年 竹林館)