竹内正企自選詩集
- 著者
- 竹内正企
- サイズ
- 四六判
- 頁
- 256ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-333-3 C0092
- 発行日
- 2016/07/01
- 本体価格
- 1,800円
Takeuchi Masaki
後世に残したい
自選詩集シリーズ2
俺は
生れながらの百姓である
生れながらの にんげんである。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
竹内正企自選詩集は人生の太く揺るぎない軌跡として編まれた作品集である。『鼓動』、『母樹』、『地平』、『定本・牛』、『たねぼとけ』、『仙人蘭』、『満天星』、『薔薇の妖精』、「未刊詩篇」。既刊詩集八冊および未刊詩篇の中より選び出された作品からはそれぞれの詩集の出版時の作者の生活からにじみ出たテーマが打ち建てられている。そして概観すれば、各詩集のテーマに作者の揺るぎない思想(詩想)が深く浸透し遍在しているのに気付く。詩想といえば何か高邁な言葉を想起されるかもしれないが、竹内の詩想は生活の具体的な言葉として現われる。
森 哲弥「土の中より生まれる詩想 ―『竹内正企自選詩集』の世界―」より
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
たね Ⅳ
いきものは
みんな たねをもっている
いのちをつくる もとがある
風媒 虫媒 交配 交尾するものは
遺伝子を組替えて新品種がつくられる
受精卵で凍結保存される
流通にのる 潰される 加工される
食物となる
みんな食べることで生かされている
いきものの いのちには
たねぼとけが宿されている