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風の吹く中梅川文男の生涯

著者
津坂治男
サイズ
四六
130ページ
ISBN
978-4-86000-101- C0023
発行日
2006/02/14
本体価格
1,400円

個数  

今年は梅川文男の生誕100年にあたります。戦前から戦後にかけて気骨を持って生きたその生涯は、きっと読者に勇気を与えてくれることでしょう。

 “獄中生活ののち、県会議員、やがて松阪市長へ―
       活動家、詩人、政治家として生きた男の軌跡”
梅川文男という男をご存知だろうか。明治39(1906)年三重県飯南郡松阪町(現松阪市)に生まれ、代用教員生活を経て労農運動に従事し、戦前五年間獄中にあった。昭和11年新井徹・後藤郁子らによって始められた詩誌「詩精神」に参加、小熊秀雄とも交わる。16年大東亜戦争勃発の翌日逮捕(19年条件付きで出獄)。 戦後の昭和22(1947)年には、共産党員としては県下で初めて県会議員に当選。のち(党を離れて)松阪市長にも選ばれた。晩年は、城跡に〈本居宣長記念館〉を建設するため尽力。活動家として、詩人として、また政治家として一筋貫いた彼の軌跡を出来るだけ忠実にたどってみようと思う。
(本文冒頭より)

目次
1.熱気のある町
商業都市松阪 梅川文男誕生 水平社の設立 代用教員として
2.「老人」「春になったゾ!」
「老人」 淡路島から獄中へ 非転向、そして 「春になったゾ!」
3.いろいろな日本
「昭和殉教使徒列伝」 監察に付す 民主主義の春
4.県会議員に当選
新憲法施行 "人間梅川" 「地獄よりの便り」
5.逆風吹きすさぶ
「島木健作」 逆風吹きすさぶ 明るい満ちた日は?
6.東京生活
アパートで 独立プロ要員として 批判と哀歓 "敷島の大和心"
7.文化人市長誕生
市長選出馬 当時の松阪 二十四時間勤務
8.梅川文男の松阪
「鈴木泰治のこと」 『都市部落』『農村部落』 梅川文男の松阪 大西源一さん
9.『ふるさとの風や』
無名戦士の碑 『ふるさとの風や』 泣かぬばかりで… 孫への思い
10.本居宣長顕彰
二つのウシ 記念館建設の夢 「病床日記」
11.たった八百字でも
「節をまげなかった…」 「気になるのだが…」 波乱の生涯、終える たった八百字でも
12.常に風に向かって
一族と、安らかに 庶民の温かさ 「山桜の花の、ほころび」 常に風に向かって
父の思い出 梅川悠一郎
梅川文男略年譜