【絶版】しじみ蝶のいる日々 関 中子詩集関 中子詩集
- 著者
- 関 中子
- サイズ
- 四六変形
- 頁
- 130ページ
- 製本
- ソフトカバー
- ISBN
- 978-4-86000-160-5 C0092
- 発行日
- 2009/01/01
- 本体価格
- 1,200円
【 完売しました 】
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現代詩の多くは心の垂直軸を失ってしまい、ことばの連想ゲームに陥り、平面を行変えで行進していく散文化の傾向にある。
これに対して、関さんの一行、一行には重力が確かに働いている。重力に拮抗して言葉の揚力がある。言葉の羽ばたきが次の一行への推進力となってリズムを生み、その結果である美しい飛翔の軌跡が、われわれの目の前に現れた彼女の詩である。
(尾崎まこと、跋文より)
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しじみ蝶
愛らしい
わたしはそれきり草むらに
空が小さい
ふるえている
そうしてわたしの胸に
やがてわたしの胸に
次から次へと
小さな空
いろいろ色をちりばめて
うっかり寝てしまった
ああ 覚えている 愛らしい
わたしはそれきり草むらに
ああ 何度でも
何度でも